So-net無料ブログ作成

#プルトニウム〜禁断の果実 [学問]

#プルトニウム〜禁断の果実
 『創世記』の禁断の果実の話は,昔話ではない.現代に生きる私たちに関係がある.プルトニウムは,この世で最も毒性の強い物質の一つである.体内に取り入れられるなら,プルトニウムが放射するα線によって恐ろしい内部被爆がおこる.地球ができた当初,大地はプルトニウムやその他の放射性物質でいっぱいだった.その後,気が遠くなるような年月の経過のなかで,プルトニウムは地球上から姿を隠した.言い換えると,神は人類が誕生し,生存する環境を整えた.神は人類がプルトニウムを取って食べ,破滅することがないように,それを禁断の果実と定めた.人類は誕生以来何10万年にもわたり,プルトニウムの存在を知らず,したがって,それに手を出すことをしなかった.
 しかしながら,それなりの科学知識をたくわえた人間たちは,近年になって,プルトニウムの存在を探し当てた.そして,1941年,その一族のプルトニウム239が核分裂をきわめて起こしやすい物質であることを知った.当時の状況には,戦争がすでに暗い影を落としていた.良識のある科学者たちは,この核物質が大量殺人爆弾製造につながりうることを認識していたので,プルトニウムの存在を長い間秘密にしてきた.しかし,科学者とよばれる人たちのなかには悪魔の誘惑に屈し,この禁断の果実に手を伸ばし,そこに潜む巨大なエネルギーを戦争へと解放しようとする者もいた.
 その時から文明のありようははなはだしい悪の方向に変化をとげ始めた.その結果が,ナガサキに投下されたプルトニウム原爆による,空前の大量殺戮であった.プルトニウムが「地獄の王の元素」とよばれるゆえんだ.プルトニウムという語は,「死者の国の王」を意味するプルートというラテン語に由来する.
 その後,原爆を使用した者たちは,何を考えてか,原子力の平和利用という美辞麗句のもと,原子力発電を開発した.この人たちの手にかかれば,「悪魔の元素」はたちまち「人類の夢をかなえる元素」に変化するかのようである.そこには,プルトニウムという禁断の果実を自由自在に制御し,支配できるという楽観がある.楽観などというのはまやかしだ.はっきりいえば,最大の無知であり最大の傲慢だ.それは必然的に悲惨な結果をもたらした.スリーマイル島,チェルノブイリ,フクシマの原発事故が顕著な例である. 
 そもそもプルトニウムは人類の手に負えるのか負えないのかを,抜本的に検討しなければならない.もし手に負えないのであれば,人間はいさぎよく手を引き,神の手にお返しすべきではないだろうか?
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。